■
スタッフの篠原です。
数年前に奈良の墨工場を見学した時のこと。
煤で真っ黒になりながら懸命に仕事をされてる職人さんの姿に心打たれました。
墨といえば昨今墨液の普及で墨を磨ることが少なくなっている様ですが、習字の時間は必ず墨を磨っていました。
その時間はお手本をみながら無心になって心を落ち着かせて磨っていた記憶があります。すると段々墨の香料の香りがただよい、精神的にもゆったりしリラックスします。
書くことがまず優先されがちですが、ここは是非書を書く前の感興を墨を。
磨ることによって益々増幅させることが出来ますので。
墨液も便利で使いますが、
作品として書く場合はやはり自分で墨を磨り心を落ち着かせることが大事なことだと思います。
たかが墨、されど墨です。
墨の艶や滲み深さはなかなか液体墨では表現しにくいのです。
ゆっくり、力まず優しい気持ちで墨を磨ってください。
きっと美しい墨色になってくれると信じて。
墨選びは難しいですよね。
コレ!という墨と出会えるまでは、なるべく値段のよいものを選ぶのが良い作品づくりへの近道です。